音のいろ

音に対して色のイメージはありますか。

例えば、ドは赤、レは黄色、ファは水色、など。

私は「水曜日がファ」という感じがするのですが、ファが水色という感覚からきているのかもしれません。

日月火水、ドレミファで4番目だから?色に関する不思議は追求すればする程、わからなくなります。

和音にしてもそれぞれ感覚があって、子どもたちにそのイメージを聞くと面白い答えが返ってきます。

「ドミソ」は火みたい。力強く感じるのかな。

「ドファラ」はフワッとしている。ふむふむ。

「レファソ」は鳥のウンチみたい。

なんでしょう、ギュッと密集した感じがするのでしょうか。とにかく音の塊を各々感じ取っています。その発想力、素晴らしいですよね。違いをしっかりと聞き分けているのが凄い点なのです。

新生児の最初の興味は、感触、明るさ動くものの三つ。生後二~三ヶ月で色彩認識の能力が芽生える。そばにいる事の多い母親は黄、白、ピンク、赤、橙などの明るい暖色系を着て見せるのが良いのだそうです。【野村順一 色の秘密 ネスコ発行/文芸春秋発売】より引用 。

音やコトバを聞いた時に目にしたものが、イメージとして入ってくることもありますから、感性が研ぎ澄まされるような環境にいることは大切ですよね。

匂いに関しても同じで、キンモクセイの香りは小学校の通学路を思い出し、その当時仲の良かった友だちの顔が浮かんだり、香水の香りで海外旅行を思い出したり。

秋の空気の匂いを嗅ぐと、文化祭で青春した頃の気持ちに戻ります。

私は普段「音楽は五感を使って楽しみましょう」というコンセプトをもってレッスンをしていますが、やはり「視る・聴く・触る・味わう・嗅ぐ」は繋がっている感覚。美味しい食事も、盛り付けや色合いを楽しみたいですし、匂いも、口に入れた時の食感もとても大切です。音楽を絵の具パレットに見立てることもありますが、ディナープレートにするのも楽しいですね。

先日、保育園でコンサートをする機会がありました。私たちを紹介する前の園長先生のお話。「今日はマリンバという楽器を、この場所で演奏してもらいます。楽しくて嬉しかったら、手や足、体を動かしても、、、 」と言いかけたところで、園児の中の1人が「ダメー」と言いました。つられてみんなから「ダメ。ダメー。」の嵐。「いいえ、手や足、体をを動かしても、、、良いのです。ただし、じっくり聴きたいお友だちもいるから、そのことは考えてくださいね。」と先生が続けると、「えー?動いて良いの??」と驚いていました。

海外の演奏家が、日本人が身動きひとつせずに聴く姿を異様に思ったという話を聞くことがあります。最後まで聞き、ホッとため息をついたように拍手をすると。良いと思ったら拍手をする。演奏会のマナーを重んじる部分が大きいのかもしれませんが、でも音楽は感情で聴きたいものです。

動いても良いと言われた子どもたち。先生がおっしゃったように、じっと音を聴く子、食い入るように演奏する様子を見る子、手拍子する子、体を楽器に見立ててリズムをとる子、それぞれがそれぞれの方法で楽しんでくれていたように思います。

保育園でのコンサートの次の日は、老人ケア施設に行きました。たまたま2日続けて、年齢差90歳近くの人の前で演奏することとなり、面白い経験が出来たなあと思います。どんぐりころころ、里の秋、夕日、竹田の子守唄…etc。小さい時に聴いた曲は、歌詞も自然と出てきて歌えます。音楽はその当時のことを鮮明に思い出させてくれるようです。「今日は学校に行ってるみたいで楽しかったよ。ありがとう。また来てね。」と車椅子に座ったおばあちゃんがかけてくれた言葉は私の胸に刺さりました。今度は逆に私が里の秋を聴くと、そのおばあちゃんの言葉を思い出すことになりそうです。

0歳でも96歳でも、音楽を聴くと勝手に体が動きます。楽しくて心が元気になります。笑顔を産みます。さて今日は何色の食事をして、何色の音楽を聴きましょうか。